私のイデオロギー2

ジョン・ロールズの『正義論』における
「無知のヴェール」は、私のイデオロギーの第二に位置づけている。

それは、自分が社会のどの立場に生まれるか――
富裕層か貧困層か、才能があるか否か、性別や人種は何か――
そうした条件を一切知らない状態を仮定し、そのうえで公平な社会のルール、自由と平等の原理を考えようとする試みである。

もっとも、この思考実験にも多くの問題が指摘されている。
たとえば、

  • 「どの立場に生まれるか」という問いの立て方自体が、すでに境遇の優劣という基準を前提にしていること
  • その基準が、一次財(権利、地位、財産、性別、人種など)を重視する価値観に依存していること
  • 生まれる前の「原初状態」を想像すること自体が、そもそも不可能ではないかという点

などである。

それでもなお、無知のヴェールが提示する
「自分がどの側に立つか分からないという前提で、社会を考える」
という姿勢は、相手の身になって公平や平等を構想しようとするものであり、
その意味において、私はこれを正義と呼ぶに値する考え方だと思っている。

What do you think?

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です