はじめに
最初は、距離と時間と速度を私なりに整理しておこうと思った。
それが、書いているうちにあちこちに枝分かれし、当初考えていたテーマから少し外れてしまった。もっとも、もともと私の中にあった考えが露出しただけとも言える。自由研究ということでご容赦を。
宇宙については、出典によってさまざまな数字があり、パラメーターによっても値が変わる。専門家ではないので、厳密性には欠けるし、細かい説明も省いた。宇宙で迷子になると困るので、最後は細部を気にしないことにした。もちろん、私のミスもあるかもしれない。
距離
1mm、1m、1km、1000km、1万kmぐらいまでなら、まだ感覚的についていける。
しかし、100万km、1000万km、1億km、1000億km、1兆kmとなると、もう置いて行かれる。
光が1秒間に進む距離は約30万km。1時間で約10億8000万km、1年間で約9兆4600億km。これが1光年だ。
新幹線は1秒間に70m、飛行機は約340m、ロケットは約11km進む。探査機ヘリオス2号は秒速70kmを記録したという。地球の重力圏からロケットが脱出するのに必要な速度でもある、秒速11kmでも十分に速いと思うが、光はその約2万7千倍の速さで進む。
光が1年間に進む距離(1光年)をロケットで進むと、約2万7千年かかる。ロケットがどんなに速くても光と比べるのは想像が追いつかない。
表1

恒星までの距離
1光年がどの程度のものか分かったところで、地球から主な天体までの距離を見てみる。
月までは光で1.3秒、ロケットで約10時間。
太陽までは光で8.2分、ロケットで約152日。
土星までは光で約80分、ロケットで約4年。
ここまでは太陽系だ。距離も時間も、まだ把握できる。しかし、太陽系を出た途端に状況は一変する。
太陽系に最も近い恒星シリウスまで、光で8.6年、ロケットで約23万年。
ベガ(織姫)までは光で25年、ロケットで約67万年。
私たちが今見ているシリウスに行くには、今の技術だと23万年かかる。
太陽系を出てしまうと、やはりロケットで例えるのは無駄になる。
表2

光年という感覚破壊
べテルギウス(オリオン座)になると、光でさえ約640年かかる。
つまり、ルネサンスが始まる前に出発した光を、私たちは今見ている。
1光年は約9兆5000億km。これに642を掛けると約6京kmになる。
もはや距離として書く意味はない。光年でいい。あるいはパーセクでいい。
時間
1秒、1分、1時間、1日、1年、1000年、1万年、100万年、1000万年、1億年、10億年。
1000万年を超えると、感覚的にはほとんど分からなくなる。
宇宙は約138億年前に始まり、地球は約46億年前に生まれた。
この数字は書ける。しかし、実感できるかといえばできない。
距離も時間も、数としては理解できる。
しかし、それを「感じる」ことはほとんどできない。
宇宙は、数値としては理解できても、感覚としては理解を拒む。
この感覚の破綻を、人類の歴史に当てはめるとどうなるのか。
それは、次に考えてみたい。