人間が生きていく上で重要な要素を、大きく三つ挙げるとしたら、
(「健康」はここでは除く)

一つは「力」、もう一つは「お金」、そして最後は「価値」。

「力」は権力、パワー。
「お金」は経済力。
「価値」は意義や意味、心のあり方などを含み、形而上学的な概念まで射程に入るため、最も守備範囲が広い。

仕事場においても、家庭においても、人生においても、すべてにおいて重要な三要素。
つまり、幸福のための三要素である。

人のいるところに権力は生まれる。
仕事場におけるパワーは、上司であり、経営者である。
国家でいえば、政府のトップがそれにあたる。
権力があれば、かなりのものを手に入れられる。

現代の金融社会では、お金がなければどうしようもない。
どれだけ必要か、どれだけ欲しいかは人によるが、最低限は必要である。

お金は空気のようなものであるのが理想だ。
必要不可欠でありながら、存在を主張しない。

「価値」は、お金や権力では手に入らないものだ。
文化、道徳、感情、そして形而上学的な概念も、すべてこれに含まれる。
「価値」の範囲はきわめて広い。

この三つを、自分なりに適度に満たすことが、いわゆる幸福だと言える。
そのためには、この三要素のバランスの最適解を見つけられる社会や国家に、自分が存在していることが重要になる。

もし、そうした社会や国家でなかったなら、移動するか、その社会を変える必要がある。
しかし、それはたやすいことではない。

高校卒業後に母国を離れた起業家の例を挙げるまでもなく、人はときに、自らの望みを果たせる場所を求めて移動する。
世界には、ほんの微(ささや)かな望みどころか、生きることさえ満たせない社会や国家が、いまだに存在する。

例えば、OECD加盟国に生まれたことには、まず感謝すべきだろう。
ロールズの「無知のヴェール」ではないが、自分の現在の境遇は、たまたまにすぎない。
たまたま悪い境遇に生まれることも、十分にあり得た。
そう思えたなら、平和でない社会や、その中で生きる人々をサポートすればよい。

地球上のすべての社会が、適度にこの三要素を満たせるようになること。
それが人類の理想であり、目標だろう。
まだまだ、果てしない道のりである。

武力侵攻や対立、争い、傷つけ合うことに費やしている余地はない。
永久になくならないのだとしても、
それでもなお、争いを止めようとする意思だけは、手放すべきではない。

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