私は、一人でいることが苦にならない。
一人で暮らし、一人で旅行し、一人で街を歩く。それを寂しいとはあまり思わない。むしろ、一人でいることによって得られる自由の方を好んでいる。
しかし、どこでも一人でいられればいい、というわけではないらしい。
無人島には興味がない。探検や冒険にも、それほど惹かれない。ロビンソン・クルーソーになりたいわけではない。
私が好きなのは、人のいない場所で一人になることではなく、人のいる場所で一人になることなのだ。
街には人がいる。
電車が走り、店が開き、美術館があり、大学があり、誰かが働き、誰かが遊び、誰かが恋をしている。さまざまな人生が、自分とは関係なく動いている。
私はそのすべてに参加する必要はない。
カフェの隅に一人で座っていてもいいし、公園を一人で歩いていてもいい。誰とも話さず、一日を終えてもいい。
それでも、周囲には社会がある。
考えてみれば、私は孤独を求めているのではなく、孤独を選べる環境を求めているのかもしれない。
社会から切り離されたいわけではない。
社会の中にいながら、そこから少し距離を置きたい。
人とつながることもできる。しかし、つながらないこともできる。街へ出ることもできる。しかし、今日は出ないと決めることもできる。
その選択肢が残されていることが、私には重要なのだろう。
だから、大都市の孤独は心地よい。
人が多いから寂しくない、ということではない。むしろ、人が多いからこそ、一人でいることが許される。
誰も私を知らない。
誰も私を必要以上に気にしない。
そして私も、誰かの集団に属する必要がない。
それでも世界は、すぐそばで動いている。
私は一人でいたい。
でも、世界から離れたいわけではない。
どうやら私は、都市型の孤独志向者らしい。
虫のいい話といえば、そのとおり。
