多元主義(pluralism)

ベストセラーを原作にした、ある映画を見た。

私は、ちょっと違和感を覚えた。

しばらくして、村上春樹さんがどこかで、「すべての人に高く評価される作品はない」
という意味のことを書いていたのを思い出した。

そうだよな、と思った。

どんなに評価の高い小説でも、映画でも、好きな人もいれば、そうでない人もいる。

作品だけではない。

人の考え方も、生き方も、価値観も違う。

十人十色。

そして、そこから少し話を広げて考えた。

人は違っていて当然である。
違う意見を持ち、それを自由に表現できることが大切である。
そして、権力や価値観を一つに集中させない。

これを三つの言葉にすれば、

多様性・自由・分散。

もう少し日常語なら、

十人十色。異論を許す。権力を分ける。

全員が同じ方向を向く社会より、異論のある社会のほうが健全である。

J・S・ミル『自由論』によれば、少数意見は、たとえ誤っているようでも、
封じるべきではない。
異論があるからこそ、多数派の「正しさ」も問い直される。

これは政治だけではなく、社会、組織、学問、芸術、日常の人間関係にも通じる。

違っていい。言っていい。集めすぎない。