ホモ・サピエンスはいつまでいられるのか② 欲と感情

矛盾するホモ・サピエンス

マズローは、人間の欲求を生理的欲求から自己実現まで、いくつかの段階に整理した。

しかし、現実の人間の欲求はもっと複雑だ。

80億を超える人間が、それぞれ異なる無数の欲求を持っている。そこに才能、運、育った環境、社会的な立場などが加わる。その欲求は一人一人複雑に組み合わさっている。

地球上には、80億通りを超える欲が渦巻いている。

そして、人間には感情がある。

喜び、愛情、共感、好奇心。
怒り、恐怖、嫉妬、憎しみ。

しかも、それらは単純に「良い感情」と「悪い感情」に分けられるものでもない。

愛情が執着に変わることもある。
正義感が攻撃性に変わることもある。
恐怖が人を守ることもあれば、他者を排除することもある。
憎しみや怒りが攻撃に向かわせることもある。

さらに厄介なのは、一人の人間の中にさえ、相反する欲や感情が同時に存在することだ。

豊かになりたい。しかし、環境は守りたい。
自由でありたい。しかし、安心も欲しい。
自分を優先したい。しかし、他人も助けたい。

そして人類全体を見ても、同じことが起きている。

善と悪。
創造と破壊。
そして、破壊したものの修復。

ホモ・サピエンスは矛盾している。

その矛盾を生み出しているものの一つが、私たち一人ひとりの異なる欲と感情の組み合わせではないだろうか。

一人の人間の中の矛盾で終わる欲と感情ならば、まだいいのかもしれない。
しかし、そこに他者を動かす力――権力が加わったとき、その矛盾は社会の矛盾になる。

そうなった時、それはとても恐ろしいことだ。

ホモ・サピエンスがこうした矛盾を抱える存在ならば、破壊や攻撃を完全になくすことはできないのかもしれない。一人ひとりの矛盾が社会の矛盾となり、さらにそれが大きな破壊力と結びついたとき、その影響は一人の人間や一つの社会にとどまらない。

その先には、究極の結末――ホモ・サピエンスが自らを滅ぼす危険性さえある。

その前に、では私はどうしたら良いのか?

欲を抑え、感情を抑えることではないか?

幸いにも70歳手前まで来ている。長くて十年、短ければ数年。ならば、欲や感情を抑えることで多少の犠牲を払っても良いのではないか。

ホモ・サピエンスは自らを滅ぼすのか?

それは別のブログで。