65年間で裁判事件はどう変わったか①ーー事件数の減少

1960年と2025年、日本の裁判所が新たに受け付けた事件数を比較してみる。

1960年の総人口は約9,430万人、2025年は約1億2,305万人。人口は約3割増えている。

一方、裁判所の全新受事件数は、1960年の約545万件から、2025年には約389万件へ減少した。

人口が増えたにもかかわらず、事件数は約29%減っている。

人口に対する割合でみると、5.781%から3.160%への低下である。

では、事件の種類別ではどうだろう。

区分1960年人口比2025年人口比
民事・行政970,1341.029%1,665,6651.354%
刑事3,353,027 3.556% 927,559 0.754%
家事336,0570.356%1,231,130 1.001%
少年792,2550.840%63,791 0.052%
合計5,451,473 5.781%3,888,1453.160%

変化の方向は、はっきりしている。

刑事事件は大幅に減少し、少年事件は激減した。

一方、民事・行政事件は人口比でも約3割増え、家事事件は約2.8倍になった。

つまり、この65年間に裁判事件全体は減少したが、すべての事件が同じように減ったわけではない。

刑事・少年事件が大きく減る一方、民事・行政事件、特に家事事件は増えている。

ここでは、その理由についてはまだ考えない。

むしろ興味深いのは、この増減によって、裁判所が扱う事件の「中身」そのものが大きく変わったことである。

それを次に見てみたい。